夫婦とふたりの子供のための住宅です。その向こうには大きなはらっぱの公園があります。公園ではキャッチボールをしている少年たちもいれば、四葉のクローバーを探している母娘がいたり、犬の散歩中に休憩しているおじいさんもいたりします。各々の自由なふるまいを寛容に並存させる公園のおおらかさを生活に引き込んだような住宅のあり方を模索しました。平面はシンプルな田の字プランを基本構成として、身体スケールから決められた床の高さが立体的に絡まることで、生活行為の関係性を作ります。家のどこにいても奥行きを感じられ、行為の場所とその向こうにある環境とが体感的に重なり合う空間を目指しました。ローコスト住宅ながら、木の温かみを感じられるように柱・梁は構造材のままとし、四季の景色を意識するようにシンプルな余白をのこすような色彩としています。刻々と変化するひかりの中で、居場所を各々見つけ出すような内外の響きあった空間を起ち上げようと試みました。
2018.04~2019.09
計画敷地:群馬県前橋市
主要用途:個人住宅
家族構成:夫婦2人+子供2人
敷地面積:244.31 ㎡
建築面積:70.88 ㎡
延床面積:112.86 ㎡
構造 :木造
高さ :5.939m
階数 :地上2階
設計監理:山梨綾菜+渡邉圭
構造設計:工藤構造設計
施工会社:橋詰工業株式会社
予算 :2000万円台
撮影 :小川重雄