熊本地震震災ミュージアムプロポーザル案

壮大な山景に囲われた敷地に建つシンボリックな形態をした東海大学キャンパス1号館。その姿は震災の悲劇を生々しく感じさせ、そこだけ時が止まり強い存在感を放っていました。それとは対比的に、見渡す限り山々に囲われた環境はただ美しく、その場に佇むこと自体に感動とたとえようのない気持ちよさを感じました。泰然自若としたおおらかな自然とその驚異の両方が共存するこの敷地に作る新たな震災ミュージアムは、主張するでもなく、オマージュするでもなく、この大地の一部となり、自然と共存することに意味があると感じました。そこで私たちは、阿蘇の田園風景であったり、火山口であったり、流れ出る滝であったり、当たり前のようにそこに風景となるミュージアムを、居場所とすることを考えました。田園風景を歩いているようなランドスケープによる、建築と外構が一体的に体験できるフィールド展示空間で、自然と視界に入る展示物との回遊性を目指しました。

2019.10~2019.12
計画敷地:熊本県阿蘇郡南阿蘇村
主要用途:震災ミュージアム
敷地面積:27000 ㎡
延床面積:1300 ㎡
構造  :木造
階数  :地上1階

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