ふるまいの時代のセカンドハウス

武漢で原因不明の肺炎が蔓延し始めたころ、ひとつの依頼が舞い込んできました。秩父にある祖父の家があそんでいるため、すでに所有している戸建て住宅とは別に、セカンドハウスとして建替えたいというものです。次第に社会的にコロナが蔓延し、依頼者夫婦もリモートワーク中心となりました。セカンドハウスには仕事場としての側面も増え、アフターコロナの社会の中で、如何に働き、集まり、生きていくのかということをテーマに計画することになりました。ローコストながら身体的スケールに呼応させることを意図し、1820mmモジュールを採用。高さ方向も1820mmで積み重ね、大きなジャングルジムのような構造としています。家全体が小屋組みのような空間となり、2階からの光がジャングルジムを通して影を落とし、風が通り抜け、柱がひとのよりどころとなります。初めに骨格を作り、徐々にDIYで好きに作り足してゆく、緩い建築です。パブリックに集まりにくい社会の中で、生活拠点とは少し違うハーフパブリックなスペースを所有することで、近しい人たちと集まる場所を持つことができます。ここでは知人や地域へも緩やかにシェアすることができる場所となるセカンドハウスを目指しました。

2019.12~2020.05
計画敷地:埼玉県秩父市
主要用途:個人住宅
家族構成:夫婦2人+犬2匹
敷地面積:193 ㎡
建築面積:57 ㎡
延床面積:88 ㎡
構造  :木造
高さ  :5.91m
階数  :地上2階
設計  :渡邉圭+山梨綾菜

Facebook